年明けに家を引き渡したのに、春になって、売った家の固定資産税の納税通知書が自分あてに届いた。手続きの間違いではないかと不安になる場面です。
売った年の固定資産税と都市計画税には、法律で決まっている部分と、売主と買主が契約で決める部分があります。この二つを分けて見ると、通知書や精算書の意味が読み取りやすくなります。
納税通知書は1月1日の登記簿上の所有者に届く
固定資産税の賦課期日は、地方税法で毎年1月1日と定められています。納税義務者は、登記簿に所有者として登記されている人です。西尾市のページでも、土地や家屋は登記簿などに所有者として登記・登録されている人が納税義務者とされています。
都市計画税の賦課期日も1月1日で、西尾市では、1月1日現在に市街化区域内の土地や家屋を持つ人が対象です。固定資産税とあわせて納めます。
国税庁の質疑応答は、賦課期日の後に所有者が替わっても、新しい所有者がその年度の税を負担する納税義務は生じないと説明しています。たとえば2月に引き渡した家でも、その年度の通知書は1月1日の所有者あてに作られます。西尾市の令和8年度分は、4月7日に発送されました。
年末年始に引渡しをするときは、所有権移転の登記が1月1日までに終わるかどうかで、翌年度の通知書の宛先が変わる可能性があります。登記の日程は司法書士や不動産会社と決め、市の扱いは西尾市の税務課に確認できます。
日割りの精算は法律ではなく、契約で決める取り決め
通知書が売主に届くなら、売ったあとの期間の税金も売主が全部負担するのか。売買では、引渡し日を境に日割りで買主と精算する取り決めをすることがあります。ただ、これは地方税法に定められた制度ではありません。越谷市は公式サイトで、日割り等の精算は地方税法上の規定ではなく、負担割合も含めて当事者間の合意で行うものだと説明しています。他市のページですが、根拠となる法律は西尾市と同じです。
全国宅地建物取引業協会連合会が公開している売買契約書の書式例(区分所有建物用)を見ると、公租・公課は引渡し日の前日までを売主、引渡し日以降を買主が負担すると書かれています。分担の起算日は、契約ごとに日付を記入する欄があり、清算は残代金の支払時に行う形です。起算日をいつにするかは地域や契約によって異なるため、空欄の日付を読み飛ばさないでください。
起算日で金額がどう変わるかを、仮の数字で見てみます。年税額(固定資産税と都市計画税の合計)を109,500円、売主が全額を納め、引渡しは10月15日とします。1日あたり300円です。買主の負担は、起算日が1月1日なら年末までの78日分で23,400円、起算日が4月1日なら翌年3月31日までの168日分で50,400円。同じ家、同じ引渡し日でも、売主が受け取る精算金に27,000円の差が出ます。実際の金額を示すものではなく、計算の仕組みを見るための仮定です。
精算書で確かめたい点は4つ
- 起算日が何月何日で、契約書のどこに書かれているか
- 引渡し日を、買主の負担の初日として数えているか
- 計算に使った年税額は、どの年度の通知書の金額か
- 固定資産税と都市計画税の両方が対象か
三つ目は特に、引渡しが4月の発送より前のときに問題になります。その年度の通知書がまだ手元にないため、何の金額を基にするのか、通知書が届いたあとに差額を精算し直すのかを、先に決めておく必要があります。四つ目の都市計画税は、西尾市では市街化区域に所在する土地や家屋の所有者が対象です。自分の通知書に都市計画税の欄があるかを見てください。
買主から受け取る精算金は、税の立替えではなく売買代金の一部として扱われます。国税庁の質疑応答では、売主が受け取るこの金額は譲渡所得の収入金額に算入するとされています。申告での扱いは、税務署や税理士に確認しましょう。
売却後に届いた通知書は、納期と精算書を並べて確認する
引渡しのあとも、その年度の納税義務者は1月1日の所有者のままです。通知書も納付書も売主あてに届き、納付も売主が行います。越谷市のページにも、年度の途中で所有者が変わっても納税義務者は変わらないと書かれています。
西尾市の令和8年度の納期限は、4月30日、7月31日、12月25日、2027年3月1日です。引渡しが年の途中なら、引渡し前に納めた期と、これから納める期を分けて見ます。そのうえで、精算書にある買主の負担分を実際に受け取っているか、通知書の年税額が精算書の数字と合っているかを突き合わせます。違いがあれば、不動産会社を通じて買主に連絡します。
売却後に引っ越すなら、送付先にも注意が必要です。所有者などの住所が変わったときは、固定資産税の書類の送付先を変更する手続きが必要です(西尾市の案内)。西尾市外へ転出する場合は、原則として市内在住の人を納税管理人に指定するとされています。
西尾市で家や土地の売却を考え始めたなら、手元にある今年の納税通知書を用意して、不動産会社に精算の起算日と計算の基にする年度を聞いてみてください。
参考資料
- e-Gov法令検索「地方税法」
- 国税庁「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」
- 西尾市「固定資産税・都市計画税の概要」
- 西尾市「固定資産税の納期限」
- 西尾市「固定資産に関する届出・申請等」
- 越谷市「年の途中で土地・建物の所有者が変わった場合の固定資産税」
- 全国宅地建物取引業協会連合会「区分所有建物売買契約書(敷地権)書式例」
制度・窓口情報は2026年10月12日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。



