気に入った土地が見つかると、気持ちが先に進みます。ただ、契約する前に自分で確認できることが意外とあります。しかも無料で、市のウェブサイトから調べられます。
不動産会社は重要事項説明で必ずお伝えしますが、それは契約の直前です。候補を絞る段階で知っておいたほうが、動きやすい。その前提で書きます。
1. ハザードマップ(4種類)
「ハザードマップは見ました」という方に伺うと、たいてい洪水のものだけを見ています。西尾市が公開しているのは、それだけではありません。
- 洪水ハザードマップ……市内に影響のある12の河川(矢作川・矢作古川・広田川・須美川・安藤川・矢崎川・北浜川・二の沢川・朝鮮川・乙川・鳥羽川・八幡川)が対象です
- 内水ハザードマップ……川が溢れなくても、雨水が排水しきれずに浸水する範囲。市街地ではこちらのほうが現実的なリスクになることがあります
- 津波ハザードマップ……西尾市の南側は三河湾に面しています
- 高潮ハザードマップ……台風時の高潮による浸水想定です
とくに見落とされやすいのが内水です。大きな川から離れているから安心、と思っていた土地が、内水では浸水想定に入っていることがあります。
津波については、想定できる最大クラスの地震が起きた場合、市内では30cm以上の津波浸水が想定されている区域があります。吉良町や一色町の広い範囲、平坂町、寺津町、巨海町などが含まれます。
浸水想定区域に入っている=買ってはいけない、ということではありません。実際にそこで多くの方が暮らしています。知らずに買うのと、知ったうえで火災保険の水災補償や避難経路まで考えて買うのとでは、まったく違うという話です。
2. 用途地域と、市街化調整区域
西尾市は市街化区域と市街化調整区域が線引きされている都市計画区域です。この2つは扱いがまったく違います。
- 市街化区域……市街地として積極的に整備する区域。用途地域が定められています
- 市街化調整区域……当分の間、市街化を抑制する区域。原則として建物を建てられません
ここが購入で一番トラブルになるところです。市街化調整区域の土地は安く見えます。同じような広さの土地が近隣の半額以下ということもある。理由は単純で、原則として家が建てられないからです。
例外的に建てられるケースはありますが、条件が細かく、許可も必要です。「安いから」で飛びつくと、建てられない土地を買うことになります。現在建物が建っている場合でも、取り壊して建て替えられるとは限りません。ここは必ず確認してください。
市街化区域であれば、次は用途地域です。第一種低層住居専用地域のように住環境が守られる区域もあれば、工業系の用途地域で隣に工場が建ち得る区域もあります。いま静かかどうかより、将来何が建ち得るかで見てください。
3. 学区
お子さんがいるご家庭では学区が条件になります。ここで気をつけたいのは、学区の境界は町名の境界と一致しないことがあるという点です。同じ町内でも、道1本で通う小学校が変わることがあります。
「◯◯町だから△△小学校のはず」という思い込みで進めると、引っ越してから違ったということが起こります。番地単位で確認してください。
あわせて、通学路も一度歩いてみることをお勧めしています。距離は近くても、交通量の多い道を渡る必要があるかどうかで、毎日の安心感が変わります。
調べ方(にしたんマップ)
西尾市は「にしたんマップ」という地図情報サービスを公開しています。インターネット上の電子地図で、生活情報や規制に関する情報を重ねて見られます。用途地域や各種ハザードの確認は、まずここで足ります。
より正式なものが必要であれば、市の都市計画課で都市計画図を確認できます。都市計画図は概ね5年に1度の航空写真をもとに、市街化区域・市街化調整区域・用途地域・都市計画道路の計画線などが記入された図面です。都市計画道路の計画線は特に重要で、将来道路になる予定の土地に家を建てると、後で立ち退きの話が出てきます。
それでも見落とすもの
ここまでは、ご自身で調べられる範囲です。一方で、地図には載らない情報もあります。
- 前面道路が建築基準法上の道路かどうか(私道の場合、通行や掘削の承諾が要ることがあります)
- 上下水道が引き込まれているか。引き込み工事が必要なら数十万円単位の負担になります
- 過去にその土地で何があったか
- 隣地との境界が確定しているか
このあたりは調査しないと出てきません。気になる土地の住所を教えていただければ、まとめてお調べします。買うと決めていない段階で構いません。むしろその段階のほうが、判断材料としては役に立ちます。
※本記事は2026年9月時点の情報です。都市計画やハザードの想定は見直されることがありますので、実際のご購入時には最新の情報をご確認ください。



