住宅ローン減税を調べると新築向けの説明が先に出てきて、中古の条件が分かりにくいものです。愛知県・三河エリアで中古の戸建てやマンションを探している方に向けて、契約前に確かめたい点を整理します。
制度は令和8年度の税制改正で変わりました。この記事は、国税庁の中古住宅向けの案内(令和8年4月1日現在の法令等に基づく)と、2026年6月に更新された国土交通省の住宅ローン減税のページをもとにしています。買う時点の内容は、公式ページで見直してください。
控除の区分と上限は、入居した年と住宅の性能で決まります
国税庁は、住宅ローン等の年末残高に0.7%をかけた額を、入居した年分から所得税額より控除する制度としています。令和8年から令和12年までに入居する中古住宅の借入限度額と控除期間は、国土交通省の報道発表資料の別紙で次のとおりです。
中古住宅の区分 | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(4,500万円) | 13年 |
省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(3,000万円) | 13年 |
その他の住宅 | 2,000万円 | 10年 |
括弧内は、19歳未満の扶養親族がいる世帯と、夫婦のどちらかが40歳未満の世帯への上乗せ後の額です。認定や省エネ基準の証明がない中古住宅は国税庁の区分で「その他の住宅」となり、年の控除額の上限は14万円です。所得税で引ききれない分は、総務省によると翌年度の個人住民税から控除されます。
国税庁の表は入居した年で分かれています。令和8年から令和12年は中古住宅の区分と上限が同じなので、令和9年に入居しても上の表どおりです。契約日では分かれていません。令和7年までに入居した場合の表は別で、適用は令和12年12月31日までの入居が対象です。期限の延長は財務省も同じ内容を載せています。宅地建物取引業者が改修して売る買取再販住宅は、国税庁の表が別です。
築年数は「昭和57年1月1日以後の建築か」で確かめます
以前は築20年や25年以内といった年数の条件がありましたが、国土交通省によると、令和4年度の改正で「昭和57年以後に建築された住宅」に緩和されています。国税庁の整理でも、昭和57年1月1日以後の建築ならこの要件は満たします。建築日は登記事項証明書で確認します。
昭和56年12月31日以前の建築なら、耐震基準を満たすことを示す書類のどれかが要ります。
- 建築士等が発行した耐震基準適合証明書(取得の日前2年以内に調査が終わったもの)
- 建設住宅性能評価書の写し(取得の日前2年以内の評価で、耐震等級が1から3のもの)
- 既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書(取得の日前2年以内に契約したもの)
耐震基準を満たさない場合は、取得の日までに耐震改修の申請をし、入居までに改修して適合の証明を受ける方法もあります。要耐震改修住宅として扱われ、区分は「その他の住宅」です。申請の期限が取得の日なので、昭和56年以前の物件は契約の前に不動産会社へ相談してください。
床面積と所得、借入先の条件は契約前に見ておきます
床面積は、国税庁の案内では50平方メートル以上で、合計所得金額が2,000万円以下であることが条件です。40平方メートル以上50平方メートル未満なら、合計所得金額は1,000万円以下になります。国土交通省は、令和8年から既存住宅にも40平方メートル以上への緩和が及ぶ一方、所得が1,000万円を超える人と子育て世帯等への上乗せを使う人は50平方メートル以上が必要としています。面積は登記事項証明書の表示で判断し、マンションは専有部分で見ます。
ほかにも、次の条件があります。
- 取得の日から6か月以内に入居し、その年の12月31日まで住み続けること
- 返済期間が10年以上の借入であること(親族や知人からの借入は対象外)
- 生計を一にする親族などからの購入や、贈与で取得した住宅ではないこと
- 居住年とその前2年、後3年の計6年間に、居住用財産の譲渡所得の特別控除などを受けていないこと
最後の項目は、今の自宅を売って買い替える方が見落としがちです。ローンそのものの事前審査は事前審査に通らない理由の記事で書いています。
手続きは、入居した年分の確定申告から始まります
最初の年は、会社員でも自分で確定申告をします。国土交通省は、入居した年分の確定申告を自分で行うよう求めています。2年目以降は、給与所得者なら年末調整で受けられます。申告先は住所地の所轄税務署です。個人住民税の控除では、市区町村への申告は要らないと総務省が書いています。
国税庁が挙げる主な提出書類は次のとおりです。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 金融機関から届く年末残高等証明書
- 登記事項証明書(床面積と建築日の確認)
- 売買契約書の写し
- 昭和56年以前の建築なら耐震関係の書類、省エネ区分なら住宅省エネルギー性能証明書など
補助金を受けた場合は、その額を取得対価から差し引いて計算します。
減税の額より先に、建築日と登記の床面積を確かめます
区分ごとの上限額を比べたくなる気持ちは分かりますが、最初に見るのは建築日と登記上の床面積です。ここが条件に合わなければ、区分の比較には進めません。物件を絞る段階で、次の4点を売主側と金融機関に聞いておくと、契約後の手戻りが減ります。
- 登記上の建築日と床面積はいくつか
- 昭和56年以前なら、耐震基準適合証明書などは取れるか、取得の日までに間に合うか
- 省エネ性能などの証明書があるか
- 引渡し日と入居予定日はいつか
減税の適用は個々の事情で変わります。迷う点は、税務署など担当窓口で確認してください。
参考資料
- 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国税庁「No.1211-2 買取再販住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国税庁「No.1211-5 要耐震改修住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国土交通省「住宅ローン減税」
- 国土交通省「既存住宅を取得したとき」
- 国土交通省 報道発表資料「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました」
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」
- 総務省「新築・購入等で住宅ローンを組む方・組んでいる方へ 個人住民税の住宅ローン控除」
制度・窓口情報は2026年10月12日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。



