空き家を解体するとき、費用の一部を市町が補助する制度があります。ただし制度の名前も、対象も、金額も、市町ごとに違います。隣の市の話を聞いて「うちも同じくらい出る」と思い込むと、申請の段階で条件に合わないことがあります。
この記事は、岡崎市、安城市、豊橋市、刈谷市の公式ページで確認できた内容だけで、調べる順番を整理したものです。受付状況は年度で変わるため、申請の前に必ず各市の最新ページを開いてください。
最初に見るのは、工事や契約の前に何を出すかです
4市のページに共通していたのは、交付が決まる前に工事や契約を進めると対象外になる、という点です。岡崎市は交付決定前の除却工事や契約を対象外とし、安城市は交付決定前に着手した工事は補助できないと書いています。刈谷市は交付決定後に着手する工事を要件とし、豊橋市は交付要綱で、決定前に契約した場合は交付しないと定めています。
流れは、判定申請で職員の確認を受け、対象と判定されたら交付申請を出し、交付決定の通知を受けてから業者と契約して着工する、という順です。安城市、豊橋市、刈谷市は交付申請に見積書を求めているので、見積もりは先に取って構いません。契約と着工だけを、通知のあとにします。
次に、その家が対象の条件に入るかを確かめます
4市に共通する条件は、個人が所有していること、1年以上使われていないこと、所有権以外の権利が設定されていないことです。権利者が同意すれば例外になる市もあります。
差が出るのは、建物の傷み具合の基準です。岡崎市は評点100以上の危険空き家、安城市は不良住宅のうち木造は評点100点以上、豊橋市は不良住宅相当で評点100点以上が対象です。評点とは、市が定める表の項目に沿って建物の傷みを点数にして合計したものです。刈谷市は少し違い、昭和56年5月31日以前に着工した建物で、評点の合計が50以上のものを老朽空き家としています。
古い家ならどこでも出るわけではありません。手入れが行き届いた空き家は、築年が古くても評点が届かない場合があります。判定は市の職員が現地を確認して行うので、迷う段階で窓口に相談するのが近道です。
補助率と上限額は、市によってこれだけ違います
令和8年度の分として、各市のページの記載を並べます。更新日はページの表示で、豊橋市には表示がありませんでした。
市(制度、ページ更新日) | 補助率と上限 | 対象の基準 | 受付に関する記載 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
岡崎市(空き家除却事業費補助金、2026年7月3日) | 危険空き家は除却費の2分の1、上限10万円。無接道等危険空き家は上限60万円、がけ地空き家は上限120万円 | 評点100以上の危険空き家など | 交付申請の期限は令和8年12月28日。予算に達した時点で締切 | 住環境政策課 |
安城市(空き家除却費補助金、2026年4月8日) | 除却費の5分の4、上限20万円 | 不良住宅。木造は評点100点以上 | 4月1日に受付開始。予算の上限に達すると補助できないことがある | 建築課 |
豊橋市(空家解体促進費補助金、更新日の表示なし) | 解体費用の3分の2、上限50万円 | 不良住宅相当(評点100点以上) | 令和8年度の受付を開始と記載。締切の記載は見当たらない | 建築物安全推進課 |
刈谷市(老朽空き家除却費補助金、2026年5月8日) | 除却費(消費税を除く)で1棟25万円まで | 昭和56年5月31日以前に着工、評点50以上 | 予算がなくなり次第終了 | 建築課 |
西尾市(住宅除却工事、2026年8月24日) | 除却費の13%、上限52万円 | 倒壊の危険性がある住宅など。耐震関係で、空き家に限らない | 募集停止中 | 建築課 |
岡崎市の危険空き家は上限10万円、豊橋市は上限50万円と開きがあります。ただ、上限が高い市が有利とは限りません。豊橋市の対象は評点100点以上の建物で、評点50以上で足りる刈谷市とは入口の高さが違います。上限額より先に、対象に入るかを見てください。
豊橋市には確認が必要な点が1つあります。ページ本文は上限を50万円としていますが、同じページの交付要綱のPDFには、昭和56年5月31日以前に着工した老朽空家という別の区分があり、上限15万円と書かれています。PDFの附則にある最後の施行日は令和4年4月1日です。どちらが今の運用かは分からないので、建築物安全推進課に確認してください。
年度の途中で、受付が終わることがあります
補助金は予算の範囲で出るため、年度の途中で受付が終わる制度があります。岡崎市は受付順に決め、予算に達した時点で締め切ると書いています。申込期限は令和8年12月28日までですが、期限より先に予算が尽きる可能性があります。刈谷市も予算がなくなり次第終了と案内し、西尾市の住宅除却は、2026年8月24日更新のページで募集停止中でした。
日程にも余裕が要ります。岡崎市は、判定結果の通知まで約2週間、交付決定までさらに約2週間と案内しています。安城市は2月末までの工事完了を求めています。年が明けてから動くと、工期が足りなくなる場合があります。
国土交通省の資料には、市区町村が行う空き家の除却を支援する空き家対策総合支援事業がありとあります。所有者が除却する場合の補助率は、国が5分の2、地方公共団体が5分の2、所有者が5分の1と示されていますが、表の市の補助率とは一致しません。申請の基準は、各市町のページです。
調べる順番は、4つに絞れます
- 市の公式ページで、制度名、更新日、令和8年度の受付状況を見る
- 工事や契約の前に出す書類と、判定から交付決定までの順番を見る
- 所有者、未使用の期間、評点や築年の基準に当てはまるか見る
- 補助率と上限額を見たうえで、判定申請の前に窓口へ電話する
最後に、解体後の土地も考えておいてください。岡崎市のページは、除却すると土地の固定資産税が上がる可能性があること、申請した敷地は原則更地にすることを挙げています。税金との関係は空き家の固定資産税と解体の関係の記事も参考になります。補助が出ることを理由に解体を決めるより、解体後の土地を売るのか、持ち続けるのかを先に決めるほうが、判断がぶれません。
参考資料
- 岡崎市「空き家の除却に関する補助制度」
- 安城市「空き家除却費補助金」
- 豊橋市「豊橋市空家解体促進費補助金」
- 豊橋市「豊橋市空家解体促進費補助金交付要綱」
- 刈谷市「老朽空き家除却費補助金」
- 西尾市「西尾市住まい・建築物の補助制度」
- 国土交通省「空き家対策総合支援事業(R8概要資料)」
制度・窓口情報は2026年10月12日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。



