草刈りや見回りのために西尾市へ通うたび、もうタダでもよいから空き家を手放したい、と考える。維持する負担が大きければ、売値よりも早く区切りをつけたい気持ちになります。
ただ、譲渡代金を0円にすることと、費用をかけずに所有を終えることは同じではありません。受け取る人が負担する税金や修繕費、譲る側に残る片付け費用などを確認してから条件を決めましょう。
0円の譲渡でも、受け取る側の税金が問題になります
個人から個人へ家や土地を無償で譲る場合、受け取る側には贈与税の検討が必要です。「代金を払わないから財産の価値も0円」とは扱えません。国税庁は贈与税がかかる場合を案内しています。実際の税額は評価額、ほかの贈与、使える控除などによって変わります。
また、愛知県の不動産取得税は贈与による取得も対象です。贈与税がかからない場合でも、不動産取得税までかからないとは限りません。課税や軽減の確認先は愛知県「不動産取得税」です。
相手が法人の場合や、借入金なども引き受けてもらう場合は、単純な個人間の贈与と税務上の扱いが異なります。譲る側を含めた税金について、合意を固める前に税理士へ確認してください。
「誰が払うか」を決めておく費用があります
確認する項目 | 決めておくこと |
|---|---|
名義変更 | 登記にかかる税・報酬等の負担、相続登記が未了の場合の段取り |
家財やごみ | 残すもの・撤去するもの、作業する人と費用 |
土地の範囲 | 境界や隣地との関係の確認、測量をする場合の負担 |
建物の状態 | 雨漏り・設備の故障など把握している状況と、修繕の扱い |
引渡しまでの管理 | 鍵の受渡し日、草刈りや維持費をいつまで誰が負担するか |
この全部を必ず売主負担で行うという表ではありません。必要な作業と双方の負担を話し合うための項目です。たとえば「家財はそのまま」という条件なら、受け取る人が処分費用も含めて検討できるよう、室内の状況を伝えます。
0円だから契約書はいらない、建物の不具合は何も説明しなくてよい、とは考えないでください。譲る不動産の範囲、把握している状態、費用分担を記録し、契約と登記を扱う専門家へ確認します。
売却と比べるときは、受取額と支出を並べます
仮に売却代金が100万円でも、引渡しの条件によっては、それ以上の支出が必要になるかもしれません。一方で、価格は低くても現状で引き渡せる話なら、手間や費用を抑えられる可能性があります。どちらも個別の条件次第です。
比べる紙には「受け取る代金」「譲る側の支出」「引渡しまでに必要な作業」を書きます。価格を0円と決めて募集する前に、現状の売却価格と費用を確認しておけば、無償譲渡を選ぶ理由もはっきりします。
空き家バンクの利用を検討する場合は、登録できる条件や取引の進め方を窓口に確認してください。西尾市の空き家バンクと不動産会社の窓口で違いを紹介しています。バンクへの登録だけで、受取人や売却先が決まるわけではありません。
国へ返す制度も、家を丸ごと無料で渡す仕組みではありません
相続等で取得した土地には、条件を満たせば国に引き渡す相続土地国庫帰属制度があります。ただし、建物がある土地はそのままでは対象にならず、審査手数料や、承認後の負担金も必要です。建物を壊せば必ず認められる制度でもありません。要件は法務省の制度概要をご確認ください。
制度を使うために解体を考えているなら、先に法務局へ相談し、売却や譲渡と費用を比べましょう。西尾市に相談する場合も、寄附を申し出れば市が引き取るという前提は置かず、対応できる制度や窓口を確認します。
最初の相談では、物件の所在地、名義、室内外の写真に加え、「何に一番困っているか」を伝えてください。年々の維持費なのか、通う負担なのか、片付けなのか。手放す条件は、その負担をどう減らせるかも含めて決めていきましょう。



