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不動産売買契約書の印紙税|金額の早見表と軽減措置、電子契約の扱い

2026/11/3 公開 石川 智士
不動産売買契約書の印紙税|金額の早見表と軽減措置、電子契約の扱い

土地や建物の売買契約書にかかる印紙税を、国税庁の表で整理しました。契約金額ごとの税額の早見表、軽減措置の期限(令和9年3月31日まで)、売主と買主の負担、電子契約の扱い、貼り忘れたときの過怠税までを解説します。

不動産の売買契約書には、収入印紙を貼ります。いくら分を貼るかは契約書に書いた金額で決まります。調べると本則の表と軽減後の表が出てきて、どちらを見ればよいか戸惑いやすい項目です。

契約金額が10万円を超える不動産の売買契約書は、令和9年3月31日までに作るなら軽減後の表を見ます。この記事では、表の読み方、軽減措置の期限、売主と買主の負担、電子契約、貼り忘れたときの過怠税を順に整理します。税額は、国税庁が令和8年4月1日現在の法令等で案内している内容です。

不動産の売買契約書の印紙税は、契約書に書いた売買金額で決まります

国税庁は、不動産売買契約書や土地建物売買契約書を、印紙税額一覧表の第1号文書に分類しています(No.7101)。税額は、契約書に記載された契約金額によって変わります。

基準になるのは、契約書に書かれた売買金額です。国税庁の例では、時価600万円の土地を500万円で売買すると書いた場合、記載金額は500万円です(No.7122)。時価ではなく、契約書の金額を見ます。

消費税額が区分して書かれている場合、その消費税額は記載金額に含めません。同じ契約書に複数の譲渡が書かれているときは、金額を合計します。国税庁の例では、建物4,000万円と定期借地権2,000万円を併記した契約書の契約金額は6,000万円です。

土地や建物の売買契約書の印紙税は、この早見表で確認できます

次の表は、国税庁の本則の税額(No.7140)と、不動産の譲渡に関する契約書の軽減後の税額(No.7108)を並べたものです。税額は契約書1通あたりで、軽減措置の対象は契約金額が10万円を超えるものです。

記載された契約金額

軽減後の税額

本則の税額

1万円未満

非課税

非課税

1万円以上10万円以下

200円

200円

10万円超50万円以下

200円

400円

50万円超100万円以下

500円

1,000円

100万円超500万円以下

1,000円

2,000円

500万円超1,000万円以下

5,000円

1万円

1,000万円超5,000万円以下

1万円

2万円

5,000万円超1億円以下

3万円

6万円

1億円超5億円以下

6万円

10万円

契約金額の記載なし

200円

200円

区切りは「超」と「以下」です。ちょうど1,000万円なら「500万円超1,000万円以下」の欄で、軽減後は5,000円。1円でも超えると、次の欄の1万円になります。5億円を超える契約書の税額は、国税庁の一覧表で確認してください。

印紙税の軽減措置は、令和9年3月31日までに作る契約書が対象です

国税庁のタックスアンサー No.7108によると、軽減措置が使えるのは、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される契約書です。土地建物売買契約書などの不動産の譲渡に関する契約書は、この対象です。

区切りは契約書を作成する日です。国税庁の質疑応答では、各種契約書の作成の時は、契約当事者の意思の合致を証明する時とされています。売買契約を令和9年3月末の前後に予定している方は、契約書を作る日がどちら側に入るかを、日程の段階で不動産会社に確認してください。

令和9年4月1日以降に作る契約書の税額は、その時点の国税庁の案内で確認してください。

売主と買主は連帯して納め、契約書が2通なら印紙も2通分です

印紙税を納めるのは、課税文書の作成者です。一つの契約書を2人以上で共同して作った場合は、連帯して印紙税を納める義務があると、国税庁は印紙税法第3条第2項にもとづいて案内しています。売主だけ、買主だけの義務ではありません。

では、実際にいくらを誰が負担するのか。国税庁の質疑応答は、複数の当事者がいる不動産売買契約書の事例で、現実の負担は当事者の協議で決めて差し支えないと回答しています。私は、契約の前に不動産会社へ「誰がどれだけ負担する前提か」を聞いておくのがよいと考えます。

通数にも注意が必要です。国税庁のNo.7120と質疑応答によると、一つの契約について2通以上の契約書を作り、それぞれが契約の成立を証明する目的で作られているなら、全部が課税対象です。売主用と買主用の2通に双方が署名押印すれば、印紙は2通分になります。

署名も押印もない単なるコピーは、課税対象になりません。通数が増えればその分の印紙も増えるので、何通作るかは契約前に確かめます。

電子契約の電磁的記録には、印紙税はかからないと国税庁は回答しています

電子契約と印紙の関係は、国税庁の質疑応答に答えがあります。建設工事の注文請書を書面で作る代わりに、電子署名を付けた電磁的記録を電子メールで送った事例で、課税対象は課税物件表に掲げられた文書であり、電磁的記録は文書に含まれないため印紙税は課税されない、と回答しています。

事例は請負契約です。不動産の売買に当てはめるなら、電子的に契約を結び、紙の契約書を作らないかぎり、貼る印紙はない、という考え方になります。ただし国税庁は、個別の取引では異なる課税関係になることがあると注記しています。

紙の契約書は、これまでどおり課税の対象です。紙の契約書の写しをメールやFAXで送るだけなら、受け取った側で出力した文書は写しと同じ扱いで、課税対象にならないとも案内されています(No.7120)。電子契約を使えるかは、買主や不動産会社の対応で変わるので、使いたい場合は契約の前に聞いてください。

貼り忘れは過怠税の対象です。判断に迷う契約書は税務署に確認します

印紙を貼る方法で納める課税文書で、作成の時までに納めなかった場合、国税庁は、納めなかった印紙税額とその2倍の合計、つまり本来の3倍の過怠税が徴収されると案内しています(No.7131)。自分から申し出て、税務調査による決定を予知したものでないときは、1.1倍に軽減されます。

貼った印紙を消印しなかった場合は、消されていない印紙の額面と同じ金額の過怠税です。消印は、自分や代理人などの印章または署名で、契約書と印紙にまたがるように行います(No.7129)。

課税文書にあたるかどうかや税額は、契約書に書かれた内容で変わります。契約金額の記載がない、1通に複数の取引を書いたなど、判断が分かれそうな契約書は、貼る前に税務署へ確認してください。国税庁は、チャットボットや電話相談、所轄の税務署などを相談窓口として案内しています。

契約の前に聞くのは、印紙の額、誰が負担するか、何通作るか、電子契約が使えるかの4点です。

参考資料

制度・窓口情報は2026年10月13日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。

この記事を書いた人

石川 智士

株式会社JA.life 代表取締役/宅地建物取引士・空き家マイスター・2級FP技能士

愛知県西尾市の株式会社JA.life 代表取締役。宅地建物取引業免許 愛知県知事(1)第25912号。 西尾市・三河エリアを中心に、不動産の売買仲介、買取、賃貸管理、空家・空地の管理を行っています。

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