昭和56年5月31日以前に建てた実家を売ることになり、耐震診断や補助金の話を耳にした。西尾市には木造住宅向けの補助制度がありますが、令和8年度の受付状況は制度ごとに違います。売る前に使えるのか、買主に任せるのかは、条件を読まないと決められません。
この記事では、市の公式ページに載っている制度名、対象、補助額、申請の時期、窓口を整理します。売却に関する記載は市のページに見当たりません。載っていない部分はそう書いて、建築課への確認事項に回します。
入り口は無料の耐震診断で、対象は昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅です
西尾市は、木造住宅の耐震診断を無料で行っています。対象は、次の条件を全て満たす建物です。
- 昭和56年5月31日以前に着工された木造住宅
- 一戸建て、長屋、共同住宅のいずれか(併用住宅は2分の1以上が住宅の場合)
- 階数が2以下
- 在来軸組工法か伝統構法(ツーバイフォー工法とプレハブ住宅は対象外)
建築年は、毎年市から届く固定資産税課税明細書で確認できると市は案内しています。昭和56年6月1日以降に着工した家は、市の一覧で「西尾市に無い補助制度」に耐震診断・耐震改修(新耐震基準)が挙がっています。
令和8年度の募集は50戸で、申込みは電子申請、建築課の窓口、ファクスで受け付けています。後日、愛知県に登録された地元の建築士から電話があり、現地調査の日程を決めます。調査には立会い(1時間程度)が必要で、建築当時の図面があれば用意します。
診断結果は、報告書を届ける診断員が説明します。総合判定が1.0未満の住宅が、次の補助の対象です。国土交通省は、昭和56年以前の建物は旧耐震基準で建てられたものが多いとして、まず耐震診断で性能を把握するよう案内しています。愛知県のページでは、補助の内容は市町村ごとに異なるとされています。
診断が1.0未満なら、改修や除却に5種類の補助があります
補助は耐震改修だけではなく、住宅を取り壊す除却にもあります。受けられるのは1つの敷地につき1回まで(段階的耐震改修の2段目を除く)で、申請者に西尾市税の滞納がないことも条件です。
補助の種類 | 補助額 | 令和8年度の枠(個別ページ) | 市の一覧(8月24日更新)の表示 |
|---|---|---|---|
耐震改修工事 | 上限135万円(精密診断法による場合は20万円加算) | 10戸 | 要相談 |
段階的耐震改修工事 | 上限60万円 | 1戸 | 0戸(令和8年度の受付は終了) |
耐震シェルター整備工事 | 整備費の3分の2、上限40万円 | 2戸 | 1戸(8/24時点) |
小規模改修工事 | 改修費の2分の1、上限15万円 | 2戸 | 1戸(8/24時点) |
住宅除却工事 | 除却費の13%、上限52万円 | 160戸 | 募集停止中 |
耐震改修工事は、判定値が0.7未満なら1.0以上に、0.7以上1.0未満なら元の数値に0.3を加えた値以上にする工事が対象です。除却は住宅1棟を全て取り壊す工事が対象で、補助が最大の52万円になるのは除却費が400万円以上のときです。
令和8年度の受付状況は、ページによって表示が違います
個別ページ(3月31日更新)には年度の枠が戸数で書かれていますが、一覧ページ(8月24日更新)では、住宅除却が「募集停止中」、段階的耐震改修が「令和8年度の受付は終了」、耐震改修工事が「要相談」です。診断の枠も、個別ページの50戸に対して一覧は「23戸(8/24時点)」です。
掲載日の11月1日には、数字が変わっている可能性があります。窓口は西尾市役所本庁舎2階の建築課(電話0563-65-2381)で、市のページには開庁時間が平日の午前9時から午後4時と載っています。
市の一覧は、「空き家除却」の補助は西尾市に無いとしています。一方、住宅除却工事の対象には、現に住んでいるかどうかの条件は載っていません。空き家の解体でも、耐震を理由にした除却補助に当てはまるかは、先に建築課へ聞けます。解体前の税金や届出は解体前の確認事項の記事にまとめています。
申請は契約と着工の前に行い、工事は年度内に終えます
補助金の交付が決まる前に、工事の契約や着手をしてはいけません。契約は書面で行い、注文請書は認められますが、見積書だけでは不可です。交付決定を受けた年度の1月末までに着手し、2月末日までに完了します。工事業者が補助金を代わりに受け取る代理受領制度もあります。
除却は、令和6年度から除却を目的とした無料耐震診断を受け付けていません。代わりに「容易な耐震診断調査票」を使います。誰でも作成でき、固定資産税課税明細書の内容と、居住部分や基礎のひび割れの写真を添えます。
市の交付要綱には、申請者が所有者である場合か、所有者の同意が得られている場合に限るとあります。補助は予算の範囲内で交付されます。
売る前に診断を受けるか買主に任せるか、判断の軸は3つあります
以下は、公式の条件をもとにした考え方です。売却との関係は市のページに書かれていないため、最終的には建築課に確認してください。
- 売却の時期と年度の日程が合うか。診断、申請、交付決定、着手、完了と進むため、数か月以内に引き渡す予定なら、売主の補助で改修してから売り出すのは難しくなります
- 工事費と補助の上限の差。耐震改修の補助は上限135万円で、工事費が上回れば差額は自己負担です。改修費が売値にそのまま乗るとは限らず、考え方は築40年の家は直して売るかの記事で書いています
- 買主が工事をする場合に補助を使えるか。買主が所有者になった後に申請できるのか、診断の申込みを引き継げるのかは、市のページに書かれていません
無料診断は費用がかからず、売る場合でも結果を買主や不動産会社と共有する材料になります。結果の伝え方は、契約前に不動産会社へ相談しておくと安心です。相続した空き家の3,000万円控除との関係は、3,000万円控除の記事に分けて書きました。
引渡しを急ぐ家なら、診断だけ先に受け、改修は買主側に任せる前提で建築課に聞く順番が現実的です。売主が補助で改修まで済ませる道は、年度内に収まる日程が組めるときに限られると考えています。
参考資料
- 西尾市「西尾市民間木造住宅無料耐震診断」
- 西尾市「西尾市民間木造住宅耐震改修費等補助事業補助金」
- 西尾市「西尾市住まい・建築物の補助制度」
- 西尾市「西尾市民間木造住宅耐震改修費等補助事業補助金交付要綱(令和8年4月1日改正)」
- 国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」
- 愛知県「住宅・建築物の耐震診断・耐震改修について(補助制度)」
制度・窓口情報は2026年10月13日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。




