相続・空き家

西尾市で空き家を解体する前に確かめる4つ|費用の調べ方と届出

2026/9/26 公開 石川 智士

空き家を解体する前に、費用と売り方、税金、届出を確認しておきましょう。西尾市版の試算サービス、買主が解体する選択肢、1月1日を基準に変わる固定資産税、建設リサイクル法と建物滅失登記について整理しました。

空き家を解体すると、建物の管理は要らなくなります。一方で、土地の住宅用地特例が外れ、固定資産税の負担が増える場合があります。税金が安くなるはず、と考えて発注する前に確認しておきたいところです。

もちろん、傷みや倒壊の危険があり、解体が必要な家もあります。そうした場合でも、費用・売り方・工事の時期・届出の4つを先に整理しておくと、後から慌てずに済みます。

費用の桁は、市のシミュレーターで自分で出せます

西尾市は株式会社クラッソーネと協定を結び、解体費用シミュレーターと、すまいの終活naviを案内しています。解体費や土地の売却価格の概算を調べられるサービスです。

使い方は西尾市の案内ページから確認できます。解体についての問い合わせ先として、クラッソーネの電話番号0120-304-395(平日9:00〜18:00)も掲載されています。

試算額は、実際の工事費を保証する金額ではありません。市の注意書きには、残置物の処分、アスベストの除去、隣家の壁の補修など、含まれない費用が挙げられています。前面道路や高低差によっても金額が変わるため、発注前には現地調査を伴う見積りが必要です。

概算を知ってから、何が別料金になるのかを見積書で確かめる。この順番なら、金額だけで業者を選ぶことを避けられます。

自分で壊す必要が本当にあるのか、先に見ます

売却のための解体なら、建物付きで売り、買主が取り壊す方法を検討できる場合があります。

相続した空き家の3,000万円特別控除は、2024年1月1日以後の譲渡では、引き渡し後に買主が耐震改修や取壊しを行う場合も対象に加わりました。工事は譲渡の翌年2月15日までに完了する必要があり、建築年や利用状況など、ほかの要件も満たすことが前提です。

買主が必ず解体を引き受けるわけではありませんし、解体費を見込んで売買価格が調整されることもあります。それでも、売主が工事費を先に支払い、更地を維持しながら売却を待つ方法だけに絞る必要はありません。

控除の条件は相続した空き家の3,000万円控除の記事と国税庁の案内で確認できます。契約前に、工事を誰が行い、完了をどう確認するかまで決めておきましょう。

壊す時期で、翌年度の税金の中身が変わります

固定資産税は、毎年1月1日時点の状況を基準に課税されます。解体したその日から土地の税額が変わるわけではありません。

  • 2026年12月31日までに解体すると、2027年度から建物分の課税がなくなります。土地の住宅用地特例も、原則として外れます
  • 2027年1月2日以降に解体すると、2027年度は1月1日時点の建物が課税対象です。土地が住宅用地特例の要件を満たしていれば、その年度の特例も適用されます

建物分の税額より、土地の特例が外れることによる増税額が大きい場合は、年明けの解体で税負担を抑えられることがあります。ただし、建物の評価額、敷地の面積、すでに特例の対象外になっているかによって結果は変わります。

税額だけで工事を遅らせるのも適切ではありません。倒壊などの危険がある場合は安全を優先し、工事費や管理費を含めて判断してください。特例の仕組みは空き家の固定資産税の記事にまとめています。個別の税額は西尾市税務課へ確認できます。

壊す前と壊したあとに、それぞれ届出があります

まず、床面積80平方メートル以上で、木材・コンクリートなどの特定建設資材を使った建物の解体工事は、建設リサイクル法の届出対象です。着工の7日前までに西尾市役所建築課へ届け出ます。窓口は0563-65-2381です。

発注者が届け出る手続きですので、業者に代行を頼む場合も、見積りに代行が含まれるか、提出日程はどうなっているかを確認してください。様式や電子申請の案内は西尾市の建設リサイクル法のページにあります。

解体後は、登記と税務の手続きを確認します。

  • 法務局:登記された建物は、滅失の日から1か月以内に建物滅失登記を申請します。手続きは法務局の案内を確認するか、土地家屋調査士へ相談できます
  • 西尾市税務課家屋担当:0563-65-2128へ連絡し、取り壊した部分を確認してもらいます。市は、壊した年の次の年度からその部分に課税しなくなると案内しています

市への連絡については「家屋を取り壊したら」をご覧ください。登記の申請と市への連絡を、工事後の予定に入れておくと安心です。

壊す前に、そのままの状態の値段を知っておいてください

解体費を払ってから買い手が見つからなければ、更地を持ち続ける費用もかかります。建物が古くても、買主の利用目的によっては建物付きのままで売却できる場合があります。

いまの状態で売った場合の価格と、解体費を払って更地で売った場合の手取り。その両方を比べてから、工事を発注するか決めてください。

※2026年9月時点の一般的な説明です。税の特例や個別の税額は西尾市・税務署・税理士に、工事と登記の手続きは各窓口にご確認ください。

この記事を書いた人

石川 智士

株式会社JA.life 代表取締役/宅地建物取引士・空き家マイスター・2級FP技能士

愛知県西尾市の株式会社JA.life 代表取締役。宅地建物取引業免許 愛知県知事(1)第25912号。 西尾市・三河エリアを中心に、不動産の売買仲介、買取、賃貸管理、空家・空地の管理を行っています。

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