オーナー・賃貸経営

アパートの管理会社を替えるべきか、判断する5つのサイン|西尾・三河のオーナー向け

2026/9/15 公開 石川 智士
アパートの管理会社を替えるべきか、判断する5つのサイン|西尾・三河のオーナー向け

空室が埋まらない、報告が来ない、修繕費が高い気がする。管理会社への不満は溜まっていても、替えるとなると面倒で先送りになりがちです。替えるべきかどうかを判断する材料と、替えると決めたときの手順を整理しました。

アパートを持っていると、管理会社への不満はだいたい溜まっていきます。ただ「替えるのは面倒だ」「入居者に迷惑がかかるのでは」と思っているうちに、何年も過ぎてしまう。よくある話です。

替えるべきかどうかを感情で決めると後悔するので、判断できる材料を並べます。

サイン1:報告が来ない

いちばん分かりやすい兆候です。空室が続いているのに、何もアクションの報告がない。募集広告をどこに出しているのか、問い合わせが何件あったのか、内見が何組入ったのかをオーナーが把握できていない状態は、正常ではありません。

空室が埋まらないこと自体は、必ずしも管理会社のせいではありません。相場より家賃が高い、設備が古い、そもそも需要が細っている——理由は物件側にあることも多い。問題は、その理由が説明されないことです。理由が分かれば、家賃を下げる、設備を入れる、ターゲットを変える、といった判断ができます。何も分からないままでは判断のしようがありません。

サイン2:募集条件の提案が来ない

3か月空いているのに、募集条件が最初のままになっていないでしょうか。

家賃を下げる、フリーレントを付ける、初期費用を下げる、ペット可にする、単身者向けを学生向けに変える。打てる手はいくつもあります。提案してこない管理会社は、その物件について考えていない可能性があります。提案されたうえで断るのはオーナーの判断ですが、提案そのものが来ないのは別の問題です。

管理料そのものが妥当かどうか

サインの前に、料率も見ておいてください。入居者募集から日常管理まで一括で任せる場合、管理委託料は家賃の5%程度が目安です。集金と滞納対応だけなら3%程度まで下がります。

ここで見るべきは高いか安いかではなく、払っている率に対して、どこまでやってもらえているかです。5%払っているのに募集の提案も報告も来ないなら割高ですし、逆に3%で最低限の集金だけなら、その分はオーナー自身が動く前提の契約です。まず管理委託契約書で業務範囲を確認してください。

サイン3:修繕が言い値で進む

給湯器が壊れた、エアコンを替えたい。そのたびに1社の見積もりだけが送られてきて、そのまま発注されていませんか。

金額の妥当性が検証されない状態が続くと、年間の支出は確実に膨らみます。一定金額以上は相見積もりを取る、という運用になっているかどうかを確認してください。

サイン4:原状回復の負担区分があいまい

退去のたびに「これは入居者負担か、オーナー負担か」で揉めていないでしょうか。

通常の使用でついた傷や経年劣化はオーナー負担、入居者の過失による損傷は入居者負担——原則ははっきりしています。ここを毎回オーナーに丸投げしてくる管理会社は、入居者と交渉する役割を果たしていません。逆に、何でもかんでも入居者に請求する会社も問題で、退去時のトラブルとして跳ね返ってきます。

サイン5:滞納対応が遅い

家賃の滞納は、初動の速さでその後がまったく変わります。1か月遅れの段階での連絡と、3か月溜まってからの連絡では、回収できる可能性が違います。

いま家賃保証会社が入っているか、入っていない場合に誰がいつ督促しているのかを、一度確認しておいてください。

確認しておきたい制度上の話

2021年6月15日に賃貸住宅管理業法が全面施行され、管理受託の仕組みにルールができています。

  • 管理戸数200戸以上の業者は国土交通大臣の登録が義務。無登録での営業は罰則の対象です
  • 営業所ごとに業務管理者を1名以上配置すること
  • 管理受託契約の前に、オーナーへ重要事項を説明し書面を交付すること
  • 受け取った家賃などを自社の財産と分けて管理すること

いま委託している会社が登録業者かどうかは、国土交通省の登録業者検索で確認できます。200戸未満の業者は登録が任意なので、登録がないこと自体が問題とは限りません。ただ、重要事項説明を受けた記憶がない、家賃の入金明細が不透明、という場合は確認する価値があります。

「協会の会員」と「国土交通省の登録」は別のものです

ここは紛らわしいので、はっきり書いておきます。

不動産業界にはいくつか業界団体があり、たとえば一般社団法人 全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)のように、賃貸管理を扱う宅建業者で構成される団体があります。当社もこの協会の会員です(会員番号 第10735)。

ただし協会の会員であることと、国土交通省に賃貸住宅管理業者として登録していることは、まったく別の話です。前者は業界団体への加入、後者は法律に基づく登録。会員証や会員番号を見せられて「登録業者です」と説明されたら、それは正確ではありません。

どちらが上ということではなく、見ているものが違うだけです。管理会社を比べるときは、肩書きの数ではなく、ここまでに挙げた5つのサインで見てください。

替えると決めたときの手順

  1. いまの管理委託契約書を読む。解約予告期間が決まっています。多くは3か月前ですが、契約によって違います。ここを確認せずに動くと二重に費用が発生します
  2. 引き継ぐ書類を洗い出す。入居者名簿、賃貸借契約書、敷金の預り状況、鍵の本数、保証会社との契約、設備の保証書。ここが揃わないと新しい会社が動けません
  3. 入居者への通知は新旧そろって行う。家賃の振込先が変わるので、ここが雑だと滞納に見える入金漏れが起きます

入居者に迷惑がかかるのでは、と心配される方が多いのですが、実務上は振込先の変更と連絡先の変更が主で、入居者側の手続きはほとんどありません。丁寧に進めれば大きな混乱にはなりません。

※本記事は一般的な説明です。実際の解約条件や引き継ぎ手順は、現在の管理委託契約書の内容によります。

この記事を書いた人

石川 智士

株式会社JA.life 代表取締役/宅地建物取引士・空き家マイスター・2級FP技能士

愛知県西尾市の株式会社JA.life 代表取締役。宅地建物取引業免許 愛知県知事(1)第25912号。 西尾市・三河エリアを中心に、不動産の売買仲介、買取、賃貸管理、空家・空地の管理を行っています。

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