売却・査定

再建築不可の家は売れる?西尾市で査定前に確認したい接道の条件

2026/10/18 公開 石川 智士

再建築不可と言われた西尾市の古い家は売れるのか。接道義務の基本から、前面道路の種類を西尾市の窓口で確かめる順番、2項道路のセットバック、私道の承諾、解体前に片づけたい点までを、公的資料をもとに整理します。

査定の場で「この家は再建築不可ですね」と言われた。あるいは、家の前の道が狭くて車が入らない。そんな古い家を売りたいとき、まず知りたいのは「そもそも売れるのか」だと思います。

楽観はできません。国土交通省の狭あい道路対策のガイドラインも、道に接していない敷地は再建築ができず売却も進まない、と課題に挙げています。一方で、売れないと決まったわけではありません。言われた「再建築不可」が何の不足を指すのかを、順番に分けて確かめます。

「再建築不可」は法律の用語ではなく、接道義務を満たさない状態のことです

建築基準法の条文に「再建築不可」という言葉はありません(e-Govの条文で確認)。接道義務を満たさない敷地を、一般にそう呼んでいます。

建築基準法第43条第1項は、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定めています。ここでいう道路は、第42条で原則として幅員4メートル以上のものです。国土交通省は、この条件を満たさない敷地には原則として建築を認めないしくみだと説明しています(「接道規制のあり方について」)。この章の規定が適用されるのは、都市計画区域と準都市計画区域の中です。

問題になるのは、今ある建物を売ることではありません。壊して新しく建てる許可、つまり建築確認が通るかどうかです。買主が建て替えを考えているなら、価格の話の前に片づけておく点です。

接道の長さは図面で、前面道路の種類は西尾市の窓口で確かめます

最初に、測量図や登記の資料で、敷地が道に接している長さを見ます。2メートルに満たない場合や、細い通路でしか道につながっていない場合は、そこが最初の引っかかりです。現地では道に面して見えても、図面では水路や他人の土地をはさむことがあります。資料の探し方は土地の境界の記事にまとめています。

次に、道の種類です。2メートル接していても、その道が法上の道路でなければ接道義務を満たしたことになりません。第42条第1項には、道路法による道路のほか、都市計画法などによる道路、特定行政庁から位置の指定を受けた道などが挙がっています。

西尾市は建築関係機関の一覧で、建築課の建築開発担当(建築)が「確認申請、道路の種類、補助金」を、土木課が「道路の幅員、道路占用」を扱うとしています。建築指導の電子申請にも「建築基準法(法第42条 道路種別の照会)」があります。国のガイドラインは、特定行政庁が各路線の種類・位置・幅員を指定道路図と指定道路調書にまとめ、公開することを求めています。照会のときは、これらの図書がないかも聞いてみてください。

知りたいこと

西尾市の窓口

前面道路が建築基準法上の道路か、その種類

建築課 建築開発担当(建築) 0563-65-2381

道路の幅員、道路占用

土木課 管理担当 0563-65-2139

現況の道路が公道であることの証明

土木課「道路に関する証明」

幅員4メートル未満の道に接する敷地の後退

建築課「狭あい道路後退事前協議」

建築基準法の許可

西三河建設事務所 建築課

公道であることの証明は、市が「不動産売買等のため」の証明として案内していますが、建築基準法上の道路かどうかの照会とは手続きも窓口も別です。

幅員4メートル未満の道なら、セットバックで使える土地が変わります

家の前の道が4メートルに満たなくても、法上の道路として扱われる場合があります。第42条第2項は、建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で特定行政庁が指定したものを道路とみなし、中心線から2メートルの線を境界線とみなすと定めています。国土交通省によれば、道路とみなされる範囲は建築不可で、建替えの際にセットバックが必要です。

西尾市は、幅員1.8メートル以上4メートル未満の道を狭あい道路として整備を進めています。市の案内では、敷地が狭あい道路に接していれば、建築確認申請の前に建築課との事前協議が必要です。後退用地を寄附すると市が所有権移転登記と整備を行いますが、門、塀、擁壁、樹木などの撤去や移設の費用は本人の負担です。

市の事業の対象は幅員で書かれています。自分の前面道路が法上のどの種類かは、前の節の窓口で別に確かめてください。売る側は、後退する範囲を図面で見て、残る土地を買主に説明できる形にしておきます。

私道は通行の承諾を、接道を満たさない場合は例外の可否を確かめます

前面道路が私道なら、位置の指定を受けた道か、法上の道路ではない道かで話が変わります。位置の指定を受けた私道は第42条第1項の道路です。法上の道路でない道にしか接していない敷地は、無接道として扱われます。

私道では、所有者は誰か、自分に持分はあるか、通行や掘削の承諾書は残っているかを探します。買う前の確認の記事でも、私道は通行や掘削の承諾が要ることがあると書きました。承諾の有無は、買主への説明が止まりやすい部分です。

接道義務には例外があります。第43条第2項は、一定の建築物について特定行政庁が認める場合と、建築審査会の同意を得て許可する場合を定めています。ただし国土交通省の資料も、認定の対象となる建築物は限られ、特定行政庁が許可の判断に迷うケースもあると整理しています。売る前に「許可は出るはず」と見込むのは危険です。可否は敷地ごとに、窓口で確認する話になります。

解体は、接道の結論が出てから決めます

古い家を壊して更地にすれば、新築できる土地として売れる。そう考えて先に解体を発注するのはやめてください。第43条は建築物の敷地の条件なので、建物がなくなっても、接道を満たさなければ新築の建築確認は原則通りません。

解体費や届出は解体前の確認の記事に書きました。その前に、間口、道の種類、幅員、私道の承諾の4点を片づけておくと、壊すか、そのまま売るかを決める材料がそろいます。

価格がどれだけ下がるかは、この記事では数字を挙げません。出せる根拠がないからです。接道の状況が見えてくれば、そのままの状態でいくらになるかを査定で確かめられます。言われた内容と所在地を持って、相談してみてください。

参考資料

制度・窓口情報は2026年10月11日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。

この記事を書いた人

石川 智士

株式会社JA.life 代表取締役/宅地建物取引士・空き家マイスター・2級FP技能士

愛知県西尾市の株式会社JA.life 代表取締役。宅地建物取引業免許 愛知県知事(1)第25912号。 西尾市・三河エリアを中心に、不動産の売買仲介、買取、賃貸管理、空家・空地の管理を行っています。

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