相続・空き家

西尾市で相続した家の固定資産税|登記前の通知書と現所有者申告

2026/10/29 公開 石川 智士
西尾市で相続した家の固定資産税|登記前の通知書と現所有者申告

名義が亡くなった親のままの家で、固定資産税の通知書は誰に届き誰が払うのか。西尾市の相続人代表者指定届、市税条例の現所有者申告、法務局の相続登記の違いと期限を、公式の案内で確認できた範囲で整理します。

名義がまだ亡くなった親のままの家で、固定資産税の納税通知書は誰に届き、誰が払うのか。相続登記が終わるまでの間は、ここが分かりにくくなります。

先に整理すると、納税義務者を決めるのは1月1日時点の所有者です。登記簿上の名義人がその日より前に亡くなっていれば、課税されるのは亡くなった方ではなく、現に所有している人です。西尾市には書類の受取人を決める届出があり、法務局での相続登記とは別の手続きになります。確認できた範囲だけを説明します。

固定資産税は、1月1日に所有者として登記されている人に1年分が課されます

西尾市の案内では、固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)に土地、家屋、償却資産を所有している人が納める税金とされています。土地と家屋の納税義務者は、原則として、登記簿または補充課税台帳に所有者として登記・登録されている人です。地方税法第343条も同じ定めです。

市のお知らせによると、年の途中で売買などによって所有者でなくなっても、月割りで課税し直すことはなく、1月1日時点の所有者がその年度分の全額を納めます。

名義人が1月1日より前に亡くなっていれば、課税されるのは現に所有している人です

相続登記をしない限り、名義人が亡くなっても登記簿の名義は変わりません。地方税法第343条第2項は、所有者として登記されている個人が賦課期日前に死亡しているときは、その日に土地または家屋を現に所有している者を所有者とする、と定めています。

総務省も、この場合の納税義務者は現に所有している者(通常は相続人)と説明しています。名義が親のままでも、1月1日より前に亡くなっていれば、課税の相手は相続人です。

1月2日以降に亡くなった場合、条文の例外は「賦課期日前に死亡しているとき」なので、その年度は名義人が納税義務者のままと読めます。西尾市は、納税義務者が死亡したときは相続人が納税義務を受け継ぐと案内しています。年末年始の前後なら、窓口で確かめてください。

西尾市では「相続人代表者指定届」を税務課に出し、書類の受取人を決めます

西尾市の「書類の送付先を変更する手続き」によると、納税義務者が死亡したときは、相続人の中から納税に関する書類を受領する代表者を指定する必要があります。使う様式は「相続人代表者指定届」で、市のページにPDFとWordの様式、記入例があります。

  • 提出先:西尾市役所 総務部 税務課の家屋担当(〒445-8501 西尾市寄住町下田22番地、電話0563-65-2128)
  • 記入する内容:代表者、被相続人(亡くなった方)、代表者以外の相続人の住所と氏名のほか、死亡年月日、続柄、相続資産区分(土地か家屋か)
  • 期限:市のページには記載がありません
  • 注意:納税義務者が死亡した場合は「納税通知書等送付先変更申請書」では手続きできません

代表者以外の相続人の欄もあるので、代表者は先に相続人どうしで決めておきます。

届出前に納税通知書がどこへ送られるか、宛名が亡くなった方のままの通知書が届いたときにどうするかは、市のページに書かれていません。納期限が近いときは、税務課へ電話で確認するのが確実です。

条例には「現所有者の申告」があり、期限は知った日の翌日から3か月です

代表者指定届とは別に、地方税法第384条の3は、登記簿上の所有者である個人が死亡している場合の現所有者に、市町村の条例で定めるところにより、固定資産税の賦課徴収に必要な事項を申告させられるとしています。総務省によると、令和2年度税制改正で制度化され、市町村が戸籍を集めて現所有者を調べる負担を減らすことがねらいです。

西尾市は、この定めを西尾市市税条例の第74条の4に置いています。現所有者は、現所有者であることを知った日の翌日から3月を経過した日までに、申告書を市長に提出します。書く事項は、現所有者の住所、氏名、亡くなった方との関係、個人番号など、亡くなった方の住所と氏名、そのほか市長が必要と認める事項です。第75条には、正当な事由なくこの申告をしなかった場合に10万円以下の過料を科す、とあります。

ただ、西尾市の「固定資産に関する届出・申請等」と「書類の送付先を変更する手続き」のページには、「現所有者申告書」という名前の様式は見当たりませんでした。相続人代表者指定届で条例の申告も済むのか、別に申告書が要るのかは、確認した範囲では分かりません。同じものと決めつけず、税務課(土地担当0563-65-2126、家屋担当0563-65-2128)に、亡くなった方の氏名と物件の所在地を伝えて確かめてください。

市への届出と法務局の相続登記は別の手続きで、期限も別です

西尾市は、相続人代表者指定届は固定資産税の納税に関するもので、不動産登記簿の内容を変更するものではない、所有権移転登記(相続登記)は法務局で行う、と案内しています。

比べる点

相続人代表者指定届

現所有者の申告

相続登記

出す先

西尾市 税務課(家屋担当)

市長(市税条例第74条の4)

法務局

何の手続きか

納税に関する書類を受け取る代表者を決める

現所有者の住所、氏名などを市に知らせる

登記簿の名義を相続人に変える

期限

市のページに記載なし

知った日の翌日から3か月を経過した日まで

相続を知った日から3年以内

相続登記は、2024年4月1日から義務になりました。法務省は、相続したことを知った日から3年以内に登記すること、正当な理由なく違反すると10万円以下の過料が科される可能性があることを案内しています。2024年4月1日より前に相続を知った不動産は、2027年3月31日までに登記します。詳しくは相続登記の期限と義務の記事をご覧ください。

登記が済んで相続人の名前が登記簿に載れば、次の1月1日からは登記簿の記載で納税義務者が決まります。固定資産税は毎年4月ごろに課税されます。次の4月までに、代表者を決めて届出を出し、現所有者の申告の要否を税務課に確認し、相続登記の準備を進めると、宛名で慌てずに済みます。

参考資料

制度・窓口情報は2026年10月13日時点で確認しています。個別の手続きは担当窓口や専門家にご確認ください。

この記事を書いた人

石川 智士

株式会社JA.life 代表取締役/宅地建物取引士・空き家マイスター・2級FP技能士

愛知県西尾市の株式会社JA.life 代表取締役。宅地建物取引業免許 愛知県知事(1)第25912号。 西尾市・三河エリアを中心に、不動産の売買仲介、買取、賃貸管理、空家・空地の管理を行っています。

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